不良地盤が増えている原因
優良宅地の品切:
宅地の開発適地が少なくなると同時に、
これまで住宅の建つような地盤とは考えられなかったような湿潤な低地や斜面の開発が増加した。
バブル経済で土地が高騰した時には、
安価な土地を求めて沼地や崖地までが買いあさられ、宅地化された。
投機対象の土地:
土地が投機の対象として売買されるようになり、
転売を前提として購入するので、地盤の性状が問題にされなくなってしまった。
製造される宅地:宅地に適さない不安定な地盤は、
盛土などの造成が必要で、より高度な計画や施工精度が要求されるのに、
利益中心の安易なミニ開発がはびこってしまった。
盛土を施したら、ある一定期間は地盤が安定するまで放置することが必要であるのに、
開発費を早く回収するために造成後、即売する例が多くなった。
地縁情報の切断:
ごく狭い地域内で、互いに顔見知りの施主と工務店(大工の棟梁)との間で
やりとりされていた住宅建築の地縁的結びつきが薄れるに従い、
両者が共有していた土地の伝承も失われてしまった。
よその地域に進出した工務店は、経験と勘とによって住宅立地の適地を知ることができなくなり、
買い手の方でも、住んだことのない土地柄ではそこがかつてどのような地形であり、
地盤であったのかを想像することができなくなってしまった
専門家に診てもらう
体の具合がどうもおかしいという時、
誰でも先ず体温を測るなどして、自分でおおよその見当をつけます。
しかし不安な時は病院で診断してもらうでしょう。
地盤についてもまったく同様です。
専門家に診断を依頼するのはあくまで建築主である買い手であって、
土地や建物を売る業者に任せ切りにすることはよくありません。
専門家の診断は、地盤の良否を判定するだけではありません。
仮に地盤が軟弱で、そのままでは家を建てることができないという場合でも、
ではどうすれば安全に建物を建築できるかといったことまで提言してくれます。
つまり、処方箋まで書いてくれるのです。
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